新刊テキスト『いちばんやさしい 使える ベトナム語 入門』レビュー
先日、数少ない日本語ネイティブで日越フリーランス通訳翻訳者仲間の木村友紀さんが執筆されたベトナム語入門テキスト『いちばんやさしい 使える ベトナム語 入門』が発売されました。同じフリーランス同士ですが経験してきた分野が重なるところや異なるところがあり、木村さんは特に語学講師の経験が豊富でいらっしゃいます。テキスト出版のお話を伺った際、私はとても嬉しくてテンションがやたら高くなってしまいました。
このほど大変ありがたいことに木村さんからテキストをお贈りいただきましたので、どんなテキストなのかや私が感じたことを少しご紹介させていただきたいと思います。
パラパラとテキストをめくった初見で先ず感じたのは「視覚に訴える記載方法で分かり易い」ということ。まず目に入ってきたのが、単語の上に声調を表す矢印(→↓↗…)です。ベトナム語はアルファベットに母音記号のほか声調記号(á,à,ã,ả,ạ)を付けます。慣れさえすれば声調記号だけを見て「あぁ、こんな音だな」とイメージがつくようになりますが初学者にとってはなかなか難しいところです。このように声調を矢印で単語の上に示しているテキストは珍しいのではないでしょうか。声調記号にまだ慣れていない人でも矢印なら「上がる」「下がる」などが視覚的に入ってき易そうです。母音の発音も「口を横に広げ~」という文章での説明だけでなく口の形の絵が描かれているのも、どのくらい広げるのかが視覚的に分かり易かったです。
次に「程よい文法説明」。長すぎず難し過ぎない文法説明が私的には◎です。入門書でも文法説明が小さな文字でみっちりこと細かく書かれているテキストがありますが、私的には入門ならこのくらいの説明がちょうどいい気がしました。その代わりに例文に補足説明が書いてあったり、コレも知っておくといいよ!的な「LEVEL UP」が書かれているので、はじめに文法をまとめて読んでからというよりは例文毎にその都度キーポイントを確認できるのが良かったです。
もう1つのポイントは「速度2パターン音声ダウンロード付き」というところ。ゆっくりと普通の2パターンの音声がダウンロードでき、ゆっくり1単語ずつ発音の練習をしてから、実際の会話に近い速度で段階的に発音練習できるのが嬉しいですね。
テキスト全体的のイメージとしては旅行向けと文法集中型の中間でしょうか。私もベトナム語入門レベルでレッスンを請け負うことがあるので、とても参考になりました。また各章の終わりにはコラムのページがあり、看板やコーヒーについて書いてあるのが木村さんらしいなぁとなんだか嬉しくなりました。
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