2月の通訳&翻訳

今年に入って、とりわけ2月は自分の考えや感じたことを日本語で話し、書くという機会が重なりました。通訳翻訳者の端くれの私が普段している仕事は、誰かの言葉を別の言語に置き換えることです。仕事によっては分かりやすい言葉に言い換えたり意訳することもありますが、それは発話者や著者の言葉があった上での話。私が自分のことについて不特定多数の方に向けて発するのはこのブログやInstagram、FacebookなどのSNSくらいです。その内容も日々の何でもないことだったりをつらつら書いている程度で、誰かに読んでもらうためというよりは個人の備忘録的なもの。


それが2月は自分が携わらせていただいた仕事について、自分にどんな思いや考えがあって取り組んだのかを他者に聞いていただくという機会がありました。そのうちの1つが橋をかける基金さん主催のオンラインイベントでした。別件でも仕事についてお話させていただき、こちらは来月にはご紹介できる予定です。また、仕事には直接関係がないですがベトナムについて書かせていただく機会も重なり、こちらは現在も悩み悩みPCに向かって作業をしているところ。


通訳や翻訳という仕事は外国語の操り方に焦点が当てられがちですが、母国語(第一言語)をどれだけよく知り使えるかが要だと感じます。ライターさんから使える表現を学ぶでも書いたことがあるのですが、原文を通訳翻訳するときにどれだけぴったりな表現ができるかが仕事で大切になってきます。


そして今回、自分の仕事やベトナムについて日本語で文章を書きながら、なんて自分は語彙に乏しいんだろうと改めて痛感しています。また語彙数だけでなく、これは先日のイベントでもそうだったのですが話し方がダラダラしていてまとまらず起承転結がない…。頭の中で色々と考えていてもいざ口にしたり、文章に起こしたりすると話があっちこっちに飛んでしまいます。。。新聞や小説を含めて読書量が圧倒的に足りないんだろうなぁと。


ということで…単純な私は、2022年は本をもっと読もう!(具体的な数を挙げずにモットというあたりが緩い)と昨年12月から図書館へ通うようにしています。これまでも行ってはいましたが気が向いた時だけで通うほどでなく、娘に好きな絵本を借りさせるだけで私は自分用に本を借りることはほとんどありませんでした。


昨年12月から1月にかけてはミステリーを数冊読みました。すごく面白くてどんどん読み進められるのですが残虐だったり陰湿だったり最後まで報われなかったりで…読み終えるとどっと疲れ。。登場人物や、多く張られた伏線の回収を理解するにはかなりの集中力を要し、仕事や家事育児の合間に「ながら読み」も難しいので、2月はちょっとジャンルを変えて、図書館の「言語」コーナーから翻訳にまつわる本を借りました。3月は予定が詰まっているので軽く読めるエッセイ本はないかなぁと検討中です。




写真は2月に読んだ書籍3冊。左の『翻訳というおしごと』は数年前にも借りた本で、どちらかというとこれから産業翻訳を仕事にしようと考えている人向け。真ん中の『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』はずっと気になっていた本。いざ読んでみると私自身の体験と重なる部分や共感する部分がかなりありました。それが故に「その気持ち分かる分かる、本当にそう!」とどんどん惹き込まれて読むのだけど、自分の苦い経験が蘇ったりもして途中でイライラして読み進めるのを休憩したりもしました。右の『字幕はウラがおもしろい 字幕屋に「、」はない』は今まで知らなかった字幕翻訳の裏事情や制作過程を垣間見ることができ、とても興味深かったです。産業翻訳、出版翻訳、字幕翻訳と「翻訳」といっても分野は広く、奥深い!

ベトナム語通訳翻訳者 田崎広野

フリーランスベトナム語通訳翻訳者 田崎広野の活動を紹介する個人ページ Trang cá nhân của Tazaki Hirono: Phiên dịch viên Nhật - Việt tự do

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