ライターさんから使える表現を学ぶ

この2週間は仕事で東北新幹線やまびこ3回・なすの1回、秋田新幹線こまち2回、上越新幹線Maxとき1回・とき1回とたくさん新幹線に乗りました。短期間にこんなに多種類の新幹線に乗ることはなかなかないので貴重な体験でした。因みにプライベートで一番よく乗るのは北陸新幹線かがやきです。

 

みなさんは新幹線で移動する際に必ずすることはありますか。車内販売の商品を買う、携帯の充電をする(新型の場合)、肉まんを食べる(東海道新幹線に限る?)、ビールを飲む、仕事をする、取り敢えず寝る、窓からの景色を楽しむ…など。

  

私は必ず車内誌を読みます。JR東日本なら『トランヴェール(Train vert)』、JR西日本なら『西Navi』を。車内誌では地域の観光スポットや特産品について紹介されていて、行ったことがない地域の旬を知ることができますし、行ったことがあるところなら懐かしさを感じます。トランヴェール2月号では北陸3県が特集されていて嬉しくなりました。


私が車内誌を読むもう一つの理由がライターさんたちから「表現を学ぶ」ためです。2019.01.18 16:39の投稿「翻訳者のボキャブラリーと訳語の選り好み」でも書きましたが、私の頭にはパッと浮かばない表現に線を引きながら読み進めます。普段気に留めていないために、知っているようでいていざという時に出てこない言葉というのは案外多いのです。


トランヴェール2月号で、「そういえばこんな言い方があったなぁ」や「こんな言い方があるんだぁ」と思った言葉の一部をご紹介します。

   

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~をはるかに凌駕する、~の一端にふれる、白んでいく空(空が白む)、満々と水をたたえ、もっけの幸い、~のしつらえ、そぞろ歩き、座している(鎮座する)、壮麗さ、さしずめ、~の構え、贅を尽くした、見張るが、遜色ない、思えば…、妙味

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私の場合、「白んでいく」は「次第に明るく/明るんでいく」と、「見張るが」は「目を見張るのが」、「遜色ない」は「引けを取らない/劣らない」としがちです。冬の雪景色について、雪の白と枯れ木の地味な色合いをイメージしがちなところ実際には冬の花々が色鮮やかなことを説明するのに、冬枯れしているものの「無彩色ではない」と表現している箇所もなるほど!と思いました。敢えて「鮮やか」と対極する「無彩色」を否定することで「思いがけない・予想外」な様子が引き立つような気がします。

 

翻訳は原文から逸脱してはいけませんが、意訳や脚色がある程度許される場合もあるので、そのような時に備えてこうして言葉集めをしています。時が経ってまた同じ言葉をメモることもあり…すべてが身についている訳ではないのですが…。

 

宣伝になりますが…実はベトナム航空(日本⇔ベトナム 線)の機内誌『HERITAGE Japan』の翻訳をさせていただいております(その号によって翻訳項目は異なります)ので、ベトナム航空をご利用の際は、お手に取っていいただけましたら幸いです。 

  


  

  

写真はトランヴェール2019年2月号の10~11ページ。文:腰元文子さん、撮影:鶴田孝介さん。金曜夜、東京21:04発⇒(かがやき519号)⇒金沢23:35着で楽しむ古都の旅が紹介されています。これからの季節は兼六園の桜がとてもキレイです!ひがし茶屋街でお抹茶やお菓子をいただいたり、金箔細工、九谷焼、漆塗り、近江市場…見どころ満載。まだ金沢に足を運ばれたことがない方も是非いらしてみてください。

ベトナム語通訳翻訳者 田崎広野

フリーランスベトナム語通訳翻訳者 田崎広野の活動を紹介する個人ページ Trang cá nhân của Tazaki Hirono: Phiên dịch viên Nhật - Việt tự do

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