1月の通訳&翻訳

2023年の1月は日本のお正月とベトナムのテトがあり、賑やかな年明けとなりました。12月に自分なりの大きな決断をしたこともあり、1月は決断を実行するにあたって時間を逆算して、やらなければならないことを洗い出しリストにして、少しずつ準備を始めました。あとは、確定申告の準備を少し。


翻訳はまた初めての分野に取り組みました。新しい分野の仕事は緊張しますし、調べ物をしなければならないため、作業(通訳・翻訳)に費やす時間が倍増するぶん疲れもしますが、新しい分野だからこその、好きなところもあります。


それは、いくら母国語が日本語でも、世の中には私の知らない言葉が溢れていることを実感し、調べ物をすることで「にわか」ではあるけれど、新しい分野について知れるところです。例えば…卓上グラインダーで材料を研削・研磨するときに、材料を載せる台のことをワークレスト(work rest)やツールレスト(tool rest)と言い、その越訳はBệ tỳとなります。


私はグラインダーの「あの部分」を「ワークレスト」と呼ぶことを初めて知り、ベトナム語で何と言うかを知りませんでした…。ここから調べ物が始まります。ワークレストで検索してもベトナム語は出てこないので、máy mài cơ khí(グラインダー)/bộ phận(部位・部分)/cấu tạo(構造)などのキーワードで検索します。bàn máy となっていたり、work tableとなっていたり呼び方は様々。画像で検索し、翻訳原稿の原文に出てくるものとできるだけ同じ種類の卓上グラインダーを検索し、その各部位の呼び方をベトナム語で検索して使用頻度の高い単語を選びます。


ちなみに、Bệ tỳという単語は自動車の運転席と助手席の間にあるアームレストのことをさすことが多いので、ベトナム語が分かる自動車に詳しい方なら身近な言葉かもしれません。画像検索で自動車のアームレストが出てきたときに思い出したことがありました。


今から十数年前、ベトナム人の知り合いが観光で来日して私の実家にも数日滞在しました。いざ帰国というときにパスポートがない!となり、家族総動員で血眼になって探しても見つからず。しまいには失くした本人が、盗まれたに違いない!と言い出し大騒ぎ。ビザも残り数日だったため、急きょ本人を連れて金沢から大阪へ行き、ベトナム総領事館でパスポートの再発行手続きをして無事帰国しました。


それから7年後のある日、実家の母が車のアームレストからパスポートが出てきたと電話をかけてきました。母も私も家族は誰一人アームレストの部分が蓋の形状で、小物入れになっていたことを知らなかったので、びっくり。たしかに助手席に座っていたことがあったけれど、なぜこんなところに…。 (この方、非常によく物を失くす)


もう失効したパスポートですが、念のため紛失した本人にも連絡したとき、私はBệ tỳという単語を知らず、たしか「腕を置くところ/Chỗ để đặt cánh tay」と説明した記憶があります。今のところこれが人生で唯一、アームレストという言葉をベトナム語で使った(使いたかった)場面です(笑)





以下、1月に固定の仕事以外で請け負った仕事の備忘録です。

翻訳:機内誌(昔話)、研削砥石&グラインダーの取り扱い

ベトナム語レッスン:個人オンラインレッスン(読解)



写真はテト大晦日の我が家の食卓。例によって南北ごちゃませのテト料理です。

ベトナム語通訳翻訳者 田崎広野

フリーランスベトナム語通訳翻訳者 田崎広野の活動を紹介する個人ページ Trang cá nhân của Tazaki Hirono: Phiên dịch viên Nhật - Việt tự do

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