国際ベトナム語能力試験 プレビュー ②
iVPT 国際ベトナム語能力試験公式ホームページに模擬問題が公開されていますので、そちらをご参考いただきながら本プレビューをご覧いただくと分かりやすいかと思います。(※模擬問題の利用範囲は個人利用となっているため、ご自身で公式HPの【出願方法】をご確認ください。表の備考欄にある模擬問題をクリックするとPDF版を閲覧することが可能です。)
【聴解】
試験はまず聴解から始まり、会話と短文の2部に分かれています。会話は、男女の短い会話の後に設問を聞いて選択肢から正しい答えを選びます。設問は、2人は何時に待ち合わせしますか?男性が女性に店へついて来てもらいたい理由は何ですか?等々、そう難しい会話や設問はありませんでした。市販のテキストの聴解練習などで十分対応できるでしょう。一瞬⁇となったのは男女がトランプ大統領の政策について会話している設問。どんな政策か聞き逃さないよう集中して聴きましたが、設問は「2人は何について話しているでしょう?/スポーツ、経済、教育、、、」のような簡単な選択肢でした。(聴解の時に予め選択肢に目を通す方なら大丈夫でしょう)
短文は古都フエ市について、ホーチミン市1区の交通事情について、など。音声の尺は「結構長いな…」と感じ、そんなことを考えていたらフエの文章の途中で一瞬集中力が途切れ一部を聞き逃しました。フエの問題は「フエには〇〇川が流れ、川を隔てて南北にエリアが分かれている。北部は~があり、南部は~がある。観光客はフエに来ると~をする」という内容。設問はフエを訪れる観光客は次のうち何をするでしょう?というもの。
ホーチミン市1区の交通事情の問題は「ホーチミン市は渋滞が酷い、バイクで歩道を走行する人がいる、バイクの駐輪場や商店の商品などが歩道を占拠していて歩行者は歩道を歩くのも大変、1区当局は歩道占拠の取り締まりを行っている」という内容。そして設問は、バイクで歩道を走行することは次のうちどれに該当しますか?選択肢は投獄される罪(懲役刑)である、罰金刑である、バイクによる歩道走行は違反ではない、など。
フエもホーチミン市1区の交通事情も全文を聴きとれなかった場合でも、フエの観光情報やホーチミン市の交通事情の予備知識があり、設問と選択肢さえ理解できれば正しい答えを導き出せそうですよね?
【語彙&文法】
語彙と文法は設問によってレベルBでこんな簡単な文法/単語?というものや、レベルBってこんな単語を知ってるのかな⁉というように難易度にばらつきがあるような気がしました(勝手な私見です‼)が、総じてそんなに難しくないと思います。こちらも市販のテキストで練習問題を解いたり、自分なりに語彙を増やしていく感じでしょうか。
余談ですが、1つ印象に残っている穴埋めの設問があります。設問の文章はうろ覚えですが "Làm mẹ là ( ) của các phụ nữ"で、選択肢はどれも"thiên"が付く単語:thiên tài(天才)、thiên chức(天職)、thiên hướng(偏向)などがありました。恐らく正解はThiên chức(天職)で、完成文の日本語訳(意訳)は「母親になること(母親業)は女性の天職である。」確かにベトナム人がこう話しているのを聞いたことはありますしベトナムでは広く知られたフレーズです。
もしこの文章に「かつては~と言われていた」のような言葉が添えられていたら私も意識しなかったかもしれないのですが…このご時世にこの文章が試験に出るのはどうなんだろうと余計なことを試験中に考えてしまいました。日本ではちょうど今、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会での女性を巡る発言が問題になっているせいもあるかもしれません。あくまで語学的な表現の1つとして、よく知られたフレーズを試験に盛り込んだだけでしょうが…。(因みに私自身も母親ですが、このフレーズ始め女は愛嬌など性別で云々は個人的に言われたくない嫌いなフレーズです…苦笑)
【読解】
長文読解ですが、ViLT2級の長文より少しばかり短い気がしました(気のせいかなぁ…)。文章は3つあり、今回は確か北部紅河デルタ地方ハイフォン市の沖合にある島について、ベトナム人の名付けについて、東南部地方バリア・ ブンタウ省ブンタウ市のリゾートについて、だったと思います。
ハイフォン市の島は〇〇郡に属し△△からXXXkm離れたところに位置し~のような位置情報の説明、郡の名前は母子の龍が舞い降りて~したことに由来する…という地名の説明。ベトナム人の名付けについては子供は父親の姓を受け継ぎ伝統的なミドルネームは男性がVăn、女性がThịで、3~4音節からなる、最近ではミドルネームに母親の姓をつけることもあるという内容。そしてブンタウ市のリゾートは、ハイフォンと同じく位置情報や地域の特色など。
3つのうち手こずるとしたらハイフォンの文章でしょうか。というのも位置情報からいきなり地名の由来となっている民話(伝説)が始まり話の振り幅が大きいからです。現代のニュースや小説のような物語に慣れていると、民話ならではの表現や単語が出てきて⁇となるかもしれません。
仮にViLTが日本語能力試験風な単語&文法に特化した試験だと分類した場合、iVPTはベトナムの歴史文化&地理の要素が強い試験という印象を受けました。もしかすると今後も民話がちょこっと出てくることもあるかもしれませんので、手始めにハノイ市にあるホアンキエム湖の伝説やハロン湾の伝説など有名どころを読んでみると良いかもしれません。また、ハイフォン市やブンタウ市、先に述べたフエ市のようにある程度名前の知れた地方の都市が題材になることもあるかもしれません。
まだ出ていない都市で言うと南中部沿岸地方ダナン市(急成長中の南中部大都市)、南部メコンデルタ地方カントー市(メコンデルタの中心都市)、北部紅河デルタ地方ニンビン省チャンアン(映画のロケ地)、ハノイ市ザーラム郡(陶磁器のバッチャン村)…など。ガイドブックやインターネットでその土地の地理情報や観光スポット、歴史的背景、土地にまつわる伝説などをチェックしておくと役に立つかも⁉
#国際ベトナム語能力試験
国際ベトナム語能力試験 プレビュー ③ では作文と口述について振り返ります。
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