翻訳料の裏側と希望価格の設定

私は複数の翻訳会社さんに翻訳者として登録させていただいています。そこで、私が直接やり取りするのは翻訳会社さんのコーディネーターの方です。コーディネーターからいただいたお客様の原稿を拝見し、分野・分量・納品形態・納期などからお受けできるかどうかを判断します。


コーディネーターは翻訳案件の内容などから、適した翻訳者を選定し業務を打診します。登録翻訳者である私がコーディネーターに翻訳原稿を納品した後、その原稿はチェッカー(フリーランスへの外注が多い)や校閲の過程を経てお客様の手元に届きます。いくつの過程を経るかは翻訳会社さんによって異なり、それによって翻訳料の価格帯も変わってきます。


翻訳料は1文字(1ワード)〇円というような単価で決まります。翻訳各社のウェブサイトでも分かるように、ベトナム語の翻訳料は翻訳者の絶対数が少ないため英語やフランス語、スペイン語などに比べると割高で、お客様からするとこの文章でこの値段⁉と思われることもあるかもしれません。が、この翻訳料は、翻訳会社さんと翻訳者で4:6、6:4、7:3などの割合で分けられるものなのです。


一見すると個人事業主としての利益を上げるならお客様から直接受注した方が良いのでは?と思われるかもしれませんが、直接受注となると翻訳以外に、原稿の分野や難易度の確認・文字数カウント・見積もり・請求書発行・領収書発行・納品後フォロー…など多くの業務が付随します。翻訳会社さんはこれらを一手にしてくださっているので頭が上がりません。


そんな私もお客様から直接お仕事をいただくことがあります。一式〇円で!とご提示いただく場合もありますが、個人的に課題なのがご提示がない場合(つまり見積もり依頼)です。普通に考えて、翻訳会社を通さないのだから個人で請け負う場合には価格が安くなりますが、分野・分量・納期の判断基準に加えて上述の案件受注に付随する業務を加味させていただきたい…となると、これくらいかなぁと見積もり(希望価格)を算出しています。これが簡単なようでいてとっっっても難しいです。


お仕事が欲しいからどんなに安くてもイイ!と希望価格を設定してしまうと、後々自分の首を絞めることになりますし、お客様に高いっ!と思われてしまったらお仕事にはつながりません。ただ「安かろう悪かろう」では本末転倒です。


このため、お問い合わせいただいた案件は内容(特に分野と分量)を慎重に精査させていただき、お受けできるかどうか、お受けする場合の翻訳料はいくらになるかをお伝えさせていただいております。本ウェブサイトに翻訳料(通訳料を含む)を明記していないのには、こういった理由もあるのです…。


なので、文章の翻訳が必要な方でこのページをご覧になられた方は、是非お気軽にお問合せいただければ幸いです。内容によっては直接お受けできない場合もございますが、その時は信頼のおける翻訳会社さんをご紹介させていただきます(※仲介料等はいただいておりませんのでご安心ください!)。


余談ですが、私の母は仕事で自分で書いた英語の学術論文の校閲を翻訳会社に依頼することがあります。かつては校閲料についてブツブツ言っていた母ですが、私が翻訳や校閲を請け負うようになって単価について話して以来、「この論文の英語を手直ししてくれた人も頑張ってるのよねぇ」などと言うようになりました (笑)


写真は試行錯誤中の「請求書」。これまでにお受けした案件で翻訳会社さんが発行してくださった請求書(数字等は翻訳会社さんが記入してくださり私は内容確認・押印)を参考にしながら、自分が使いやすいように改良を続けています。。。

ベトナム語通訳翻訳者 田崎広野

フリーランスベトナム語通訳翻訳者 田崎広野の活動を紹介する個人ページ

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