ひとり親フリーランス…人生の岐路に立つ。


コロナ第6波が落ち着き、まん延防止等重点措置が解かれ、3年振りに移動制限のないゴールデンウイークを迎えました。4月以降は社会が動き出し対面での打ち合わせなども増え、急に仕事が忙しくなってきたというお話もよく耳にするようになりました。私個人の仕事についても4月末頃から隣席通訳だけでなく、数日間の出張通訳も複数ご相談いただいています。


ここで「ひとり親」というのが問題となってきます。これまで「フリーランスの子連れ出張」「あまのじゃくも時として焦燥感!? (あまのじゃく編)」「あまのじゃくも時として焦燥感!? (焦燥感編)」で、ひとり親フリーランスにまつわる私の考え方ややってきたことを書いてきました。私がフリーランスに転身したのは2016年の33歳のとき。


当時娘は1歳半、実家の母は72歳。当時の娘はまだまだ赤ちゃんでちょっとした風邪でもすぐ喘息になってしまい保育園を数日間休むことも良くありました。母は定年退職から数年経っていましたが研究や論文執筆を続け、私に出張が入ると金沢から上京してもらったり娘を実家でみてもらっていました。母はとても元気でフットワークも軽い人で、かつ東京出身なので娘が保育園へ行っている間に都内を1人で出歩くことができたのが幸いでした。


それから6年が経ち娘は小学2年生に、母は78歳になりました。開業当初の私の計画(想定)では、娘が小学生になったら学校を休ませるわけにもいかないので、私が出張に行く場合は母に上京してもらい娘をお願いするつもりでしました。しかし実際にはコロナ禍の影響を受け世界全体の動きが止まり、私も出張そのものがない状態が2年半続きました。


そして各国がwithコロナへ舵を取り、遂に日本も動き出し出張のご相談をいただけるようになったわけですが、当の私が出張できる環境でなくなってしまいました。というのも、娘は体調を崩すことがめっきり減り、身の回りのことが一人でできるようになってきた一方で、母はここのところ急激に生活に不自由が増えてきたからです。その母を東京へ呼び寄せて娘をみてもらうことは到底難しく、娘の預け先なくして出張できるはずもありません。


はなから70代に孫娘の面倒をみてもらうのを前提にしていること自体が考えられないという方もいるかもしれません。ただ私は小中学校の時に両親がそれぞれ単身赴任で、6年ほど80代の母方の祖母と2人暮らし、母と会うのは夏休みと冬休みだけだったこともあり、どこかで「お母さんもおばあちゃんみたいにずっと元気だろう」という甘い考えや、「お母さんはずっと単身赴任で私のことをまともにみてくれなかったんだから、孫を数日みるくらい引き受けてくれてもいいのでは」というひねくれた考えがありました。。


これまで請負契約で何年もお世話になってきた企業や、大きい案件を任せてくださっていたエージェントも数日~2週間の出張があるという前提でのお仕事だったので、出張ができなくなった今、私は本当に途方に暮れています…。娘が1人で家に残れるのは高校生になってからと考えるとこの先10年近くは出張のある仕事は受けられないことになります。


数日前に出張のお話をいただいた際に事情を説明し、お役に立てそうにないので請負契約の終了を申し出ました。大変ありがたいことにリモートでできる範囲で引き続きお手伝いさせていただくかたちとなり、有り難さと申し訳なさで複雑な気持ちです。エージェントの方はリモートというわけにはいかないので、やはりお受けすることは難しく、このままだと収入は大幅減額が見込まれます。


娘の入学と同時に在住区の子供向けショートステイにも登録はしています。でも一世一代の仕事や、やむを得ない事情がない限り今のところ利用するつもりはありません。望んで授かった娘ですから、ひとり親でも寂しい思いをさせず不自由なく愛情いっぱいに育てると心に決めているので、娘がいるから仕事ができないという惜しさや悔しさは一切思いません。が…先日つい「出張”できない”」と口から出て、娘に「ごめんね」と謝られてしまい猛省しました。また、「いつまでもあると思うな親と金」も痛感しています。いつまでも母に頼れると思っていた自分の考えの甘さ。。今まで助けてきてくれた母には本当に感謝しなければなりませんね。


…というわけで、今後の仕事の方向性を見直さなければなりません。同じような境遇の人はどうしているんだろう?と「フリーランス、シングルマザー、通訳、翻訳」でネット検索すると、在宅翻訳で生計を立てながら子育てをしている女性たちの記事やブログが多数ありましたが、通訳者は少なく出張に関する情報は見つかりませんでした。


翻訳は好きで現在も請け負っていますが、労力と単価の兼ね合いが難しい分野で、それだけで生計を立てるのはなかなか。専門学校などの語学講師はどうかとよく言われるのですが、語学専門学校の講師は学歴や教授歴が重視されるので、教授歴の浅い私ではほぼなれません。実際にフリーランスになるか転職するかを迷っていた時に某語学専門学校の講師求人に応募しましたが書類選考で落ちました。。


出張や残業のない企業の事務職などに転職した方が良いのか?とも頭をよぎりましたが、社員になればこれまでフリーランスで請け負ってきた仕事は全てやめなければなりません。契約社員や副業可の会社の正社員になればルール上は並行して続けられるでしょうが、私は器用でないのでどちらかがおろそかになるか、両方に全力投球しすぎて疲弊してしまいそうなので、その選択肢はないかなぁと。


となると、都内でできる朝~夕方の通訳業務をメインに登録先を増やしたり、自分でできるビジネスで集客するとか…ビジネスって…。私には何ができて、何をするべきなのか、どんなことに向いているのか、頭の中を整理するつもりでこれを書いていますが、良い案が全く浮かびません(涙)。


もしこの投稿をご覧くださった方で、「同じような境遇だけど私はこう乗り切った!」、「こうしてみるのはどう?」、「こんな仕事ありますよ!」などなど、忌憚のないご意見やアドバイスをいただけますととても嬉しいです。「甘ったれてるんじゃないよ!」「あなたはこうするべき!」というコメントでも構いません。客観的にみてどうしていくのが良いのか…色々な方のご意見を伺いたいです!どうぞよろしくお願いいたします。




写真はGWに実家で撮ったもの。岐路っぽかったので…(笑)

ベトナム語通訳翻訳者 田崎広野

フリーランスベトナム語通訳翻訳者 田崎広野の活動を紹介する個人ページ Trang cá nhân của Tazaki Hirono: Phiên dịch viên Nhật - Việt tự do

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